なぜ3月の引越し代金はバカ高いのか。その料金構造の秘密に迫る。
3月から引越しシーズン。新生活やら転勤とかでどうしても3月から4月にかけて引越しが集中する。この時期に引越しをする人は業者へ見積りすると皆一様に・・・
高すぎて泣きたくなるだろう。
転勤などで会社が代金を負担してくれる場合はまだいいが、個人で負担する人はかなり痛い出費。引越し業者から提示された金額に驚いて、レンタカー自分で借りて自力でするケースも多いのではないか。
そこで、なぜこの時期に限って引越し代金が高くなるのか、その理由を説明する。
3月に引越し代金が高くなる理由
1.引越しが集中するから
一番の要因は全てこれ。お子さんがいるご家庭であれば、新学期に合わせて春休みに引越日程を合わせたり、年度末の期代わりに合わせた入社や転勤などで一気に重複する。
旅行業界と同じで利用する時期が集中するということは、それだけ業界にとっては稼ぎどきなのだ。一般的に通常価格より2倍~3倍になる。
2.需要と供給のバランスが崩れるから
それだけ需要がある引越しシーズン。当然、その需要に対し引越し業者は供給で応えなければならない。しかし繁忙期だからこそ、この需要と供給のバランスが崩れる。
引越し業者の経営資源はトラックと人手だ。当然足りなくなるので外部から補充しなければ現場も回らない。求人雑誌見れば一目瞭然。この時期に限ってどこの引越し業者も大幅にバイトを増員する。
引越し業者の価格設定の構造
引越し業者の価格帯というものは、ある計算方法から成り立っている。さすがに全部は言えないが、基本的に5つの要素で決まる。
引越し代金を決定づける5大要素
1.トラックの大きさ
2.トラックの台数
3.作業時間(人員)
4.日取り
5.競合他社の存在
この5つの要素が絡み合って引越し代金は決まると言ってもよい。これはどこの引越し業者も同じ。繁忙期以外ではそこまで集中しないので、上記1~4は比較的余裕がある。
よって通常時期は5の競合他社の存在が価格を決定づける上で大きな要因となる。顧客を獲得するため大幅に値引きするなど、普段の引越市場は完全にレッドオーシャン。業者同士がお客さんというフィルターを通してガチガチにバトルするからね。
引越し比較サイトなどはその典型例。登録している業者にとっては、競合他社との価格戦争に自ら巻き込まれるようなもの。通常より値引きしないと受注できないからそれはもう必死。顧客にとってはよい仕組みだけどね。
だが、これが3月に突入した瞬間から、レッドオーシャンから期間限定のブルーオーシャンに変貌する。
引越しシーズンは放っておいても顧客がどんどん集まるので、どの引越し業者も先に説明した1~4の要素がすべて埋まってしまう。ということは5の競合他社の存在を意識しなくてもよくなり、価格設定は一気に強気になる。
いわば競争のない世界。逆に顧客同士が引越しの枠を取るための争いと化す。これが3月に引越し代金が高くなってしまう構造なのである。
競争の少ないブルーオーシャン市場がなぜ良いのか、このケースだけを見ても一目瞭然だね。参入する企業が少ないニッチな市場、もしくは需要が供給を大幅に上回る市場はそれだけ利益率が高い。
引越しシーズンに安く済ませる方法はないのか?
では、どうすれば安く済ませられるのかハッキリ言おう。3月や4月に引越ししないことだ。もしくは、荷物を処分するなり売るなりして極限まで減らす。これしか回避策がない。でも、これが出来ないからみんな頭を抱えてる(笑)
この時期に安く済ますには、レンタカーと友人の力を借りて自力でやる方法がある。ただし、レンタカーもこの時期は繁忙期なのでハイエースや2Tトラックなどは中々借りられないので注意。
もしくは自力では運べそうもない大物家具のみ引越し業者に頼み、ダンボールを含めた小物はすべて自力で運ぶこと。こうすることで、トラックの大きさを4Tから3T、3Tから2Tにダウンさせることで単価も下がる。
では、自力移動に無理がある長距離の引越はどうすればよいのか。これはもう身の回りの衣類や食器、小物といったダンボールで梱包できるもののみ業者にまかせ、それ以外の家電や家具は現地調達したほうが結局安上がりなケースがある。
なんせ荷物量が多い+長距離だと引越し業者に頼めば50万とか100万超えるケースが実際にあるからね。これホントの話。ただでさえ出費が多い時期なのにアホらしくなるでしょ。
回避策は荷物量を極限までコンパクトにすること、これしかない。以上、元引越業界経験者からのアドバイスでした。
得意な分野はダイレクトマーケティング全般。2014年6月よりマーケティング関連のお仕事をフリーでうけてます。名古屋市在住、4児のパパ。