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【現地レポート】空き家再生プロジェクトのツアーに参加してみた

      2015/03/04

このブログでも取り上げてきた空き家問題。空き家を再利用する試みはリノベーションに始まり、シェアハウスや空き家管理サービスといった様々な業態のビジネスに発展している。

たまたま見かけた記事で、あるNPO法人が立ち上げたプロジェクトを知った。それは築80年の15戸からなる長屋の空き家を再生しながら、再び人が集まる「村」にしようという新たな試み。詳しくはこちら。

とりあえずコンセプトが面白かったのでそのツアーに参加してみた。空き家がある所在地は愛知県津島市。今回はそのレポートです。

 

 津島市の天王川公園で集合

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東京のNPO法人が主催するバスツアーなので東京からの参加者も多く、名古屋から参加の自分は天王川公園にて集合。天王祭や藤まつりでも有名な場所。

 

重要文化財指定の住宅に立ち寄る

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空き家物件を見る前に、天王川公園近くにある堀田家住宅という重要文化財指定物件に立ち寄った。江戸時代中期の住宅だそうだ。

 

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一緒に連れてきた子供たちも「この家めっちゃでけえ!」と興奮状態。確かに延べ床面積もでかいが、この住宅の価値はデカさじゃないぞチビたち。中に入ると、これまた渋い。

 

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窓辺から見るこんな景色、日本人なら落ち着くよねえ。まさに日本人たるDNAが騒ぐ感じ。

 

古い街並みを散策しながら移動

堀田家住宅を後にし、古い街並みを散策しながら空き家物件まで移動。この日は土曜日の午後だったが人通りは少なかった。このツアーに参加された方とも空き家問題に関する意見交換をしたが、農村や山間部よりもこのようにかつて栄えた町のほうが、より寂れた空気を作っちゃうんだね。

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まぁ、普段電車や車での移動が多い自分にとって、こんなにのんびりと町を歩くことはあまりないのでかえって新鮮。連れてきた子供たちは「散策」というよりも、所々我慢できずにダッシュしまっくていたが。

 

空き家物件に到着

さて、今回の本題である空き家の視察。物件は連棟式の長屋タイプらしいので、どんな立地にあるんだろうと思って実際現場に着いてみたら、いきなり意表を突かれた。

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ここが空き家物件に通じる入り口。

表通りには面しておらず、この路地を通らないと物件の全容は見えない。いいねえ~、なんだか路地裏ってワクワクするな。

 

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そしてこの路地を抜けるとそこには・・・

 

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長屋の空き家が登場。

昭和だ、昭和の香りがする。なんともノスタルジックな雰囲気。写真左手が平屋建て、右側が2階建ての連棟式だ。全部で15戸の空き家がある。

 

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引き戸のガラス玄関にトタン張りの外壁。昭和初期に建てられた住宅は、どこもこんな感じだったと思う。じつは母方の実家も空き家になってるけど、確かにこんな感じ。

今の戸建て住宅にもトタンは使われていて、素材が耐久性に優れたガルバリウムに変わり、デザイン形状も良くなった。では、中を覗いてみよう。

 

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畳にふすま、土壁という典型的な日本家屋。長らく住んでない割には思ったほど傷みはなく、程度は良いように感じた。もし自分がリノベするなら、ふすまや壁を取っ払って、床を無垢材のフローリングにしたり・・・とか想像するだけで楽しくなるね。

次は2階に行ってみよう。

 

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2階の共用部分。部屋に台所はなく、ご覧のように写真右手の共用部分に流しがある。ちなみに部屋覗いてる二人はうちの息子。我が家も以前はお義父さんが建てた古い借家に住んでたことがあるので、子供たちも「前のお家みたい」って言ってました。

 

別棟には集会場もある

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敷地内の別棟には、このように広い集会場もあった。これだけのスペースがあればカフェとかギャラリーに改装すれば面白いかも。集客する上でここの再利用がポイントかもしれない。その他にも更地スペースがあり、駐車場にも代用できる。

ちなみに残像拳のように写っているのは、広さに興奮して思わずダッシュしてしまう三男。動物か(笑)

 

最後は近所の雑貨店に立ち寄り津島神社で解散

雑貨店 津島神社

 

まとめ

というわけで今回、実際に足を運んでみた率直な感想をひとつ。改めてここで愛知県津島市という街の魅力や、空き家のハード面を語ることはしない。それよりも大事なポイントがある。それは

このプロジェクトに魅力を感じてツアーに参加した方々が、一体どのようにして集まったのかという部分だ。

人口減少や空き家問題を抱える各自治体も当然、地域活性化のための事業に取り組んでいる。PR活動としてHPや広報誌の発行など情報発信はしているわけだ。でも、それだけでは全然足らない。

今回のツアーでは、大勢の方々が地方自治体にあるひとつの空き家に集まった。それも東京からバスツアーで。もちろん自分のように東海地方の現地合流組もたくさんいた。

自治体の空き家バンクや不動産情報など、公開されている空き家情報を見て集まったわけでもない。それは

ソーシャルメディアで集まったのである。

このプロジェクトのコンセプトをソーシャルメディアで発信し、それを見た人が共感・シェアすることで拡散されたことが全てのキッカケだ。

空き家問題は各自治体の協力が欠かせないが、その有効活用や運営、広報といったソフト面は民間が全面的にソーシャルメディア使ってやったほうがいい。

自治体もFacebookやツイッターのアカウントもって発信してはいるけど、うまく運用するのは難しいだろうね。ソーシャルメディアって組織より個人のつながりだから。

 

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